2021年9月25日 更新
本ページの目的
まず、このページを作成した目的は、純粋に自然卵養鶏法に興味がある方に情報共有できればという思いからです。祖父である中島正もまた、 “全国自然養鶏会” や “自然卵ネットワーク” を発足し、情報や技術を共有したそうです。
また、近頃は当養鶏場へ見学希望の方や、技術指導をお願いする方が多く、そうした方々にもお役に立てればと思っております。
なお、当養鶏場においても、日々試行錯誤の連続です。そのため、ここへ記載されていることが必ずしも正しいとは思わないで下さい。全ては一例として捉えて頂くようお願い致します。そして、ここで書かれていることが、皆様の自然卵養鶏に役立つことを切に願っております。
このページの前提知識
本ページで説明する内容には、予備知識として中島正(なかしま ただし)が書き記した「増補版 自然卵養鶏法」を読んでいることが好ましいです。自然卵養鶏法では、大規模養鶏が行う飼育方法はせず、自然循環型の飼い方を前提としています。その詳しいやり方や取り組み方をど素人であった私ですら、理解して実践できるよう書かれています。これを読まずして養鶏農家を生業とすることは難しいと言っても過言ではありません。
そのため、自然卵養鶏法の本は読まれていることを前提に、話を進めて参ります。
本ページ作成者について
全くの畑違いであるIT系の一般企業に勤めていた元サラリーマン、のびのび養鶏場代表自ら書いております。正直サラリーマンからの脱却を毎日毎日毎日考え、そして辿り着いた道がこの養鶏農家です。そのお蔭で今や心が晴れやかです。
どのような人間かもっと詳しく気になる方は、このページをご参照下さい。
https://nobinobi.online/orner/
目次
・そもそも養鶏農家とは
・養鶏農家に必要な考え方
・養鶏農家に必要なモノ
・毎日の流れ
・鶏舎について
そもそも養鶏農家とは
わたしの考える養鶏農家は、養鶏業を本職とし、農家家業は副職という位置づけです。つまり、日々の生活の基盤は養鶏であり、農業で得た作物は自給用、又は鶏のエサ用ということです。
作物を鶏のエサと考えると、それも養鶏業の一つとして捉えられますが、ここでは自給用のみを念頭に考えます。勿論、余剰分は鶏のエサに回したり、ご近所へ配ったり、はたまた生活費に当てるのも手だと思います。
人によっては、農業を主として、養鶏をオマケと考える方もいらっしゃるでしょう。
それも勿論アリです。ここではあくまでも、養鶏業を本職、農業を副職という考えで話を進めていきます。
養鶏農家に必要な考え方
養鶏農家として生活していく上で、必要だと日々感じていることがあります。それは、安定した賃金を求めるのではなく、 安定した日々の生活を求めるということです。一見矛盾した内容のようですが、この考え方は相反する考え方です。
安定した賃金を求める方は、一般企業や公務員にお勤めになられることをお勧め致します。毎週の休日に趣味で鶏や農業を家庭菜園レベルで行い、満足を得る方が気持ちの面で豊かだと思います。元サラリーマンとして、周りのサラリーマンを見てきてそう感じます。
そもそも、安定した賃金とはいったいいくらでしょうか?
年間400万ですか?それとも600万?1000万?1億?
あればあるだけ嬉しいでしょうが、上を見だしたらキリがありません。そして上ばかりを見て目指し続けたら、絶対にどこかでその歪が生じます。歪が体調なのか家庭環境なのか、それは分かりません。ですが、わたしの短い人生経験ですら、自分含めた色々な人たちを見てきて、その歪を感じずにはいられません。
では逆に安定した日々の生活とは何か。お金は社会生活を営む上で必要な最低限度の額のみ得て、日々の生活は自給自足を目指して安定した生活を送れるようにすることです。
ここ日本で暮らすことを前提とします。日本で必要な社会保障や税金、光熱費など、絶対的に支払わなければならないものが必ず存在します。そうした存在のために、必要最低限の現金収入を得る必要が誰にでもあります。しかし、それらの支払い以外の生きる上で必要な「食料」については、自分で畑をやり、自分のための野菜や穀物を自給していけば、安定した日々の生活を送ることは可能です。その際、養鶏と農業のウェイトのバランスは人によって異なるかもしれません。わたし個人的な経験では、養鶏にウェイトを置いた方が、日々の安定した生活は送りやすいように感じています。
そもそも、上記のようなことを言うと、娯楽や趣味へのお金はどう捻出するのか、と怒り狂う方もいるかもしれません。えぇ、わたしも趣味が色々ありますからよく分かります。
でも、モノに溢れていない環境では、無いなら無いなりの生活水準に落ち着きますから大丈夫です。どうしてもモノが欲しければ、インターネット代を払って下さい。地方でもネット通販はちゃんと届きます。
話が少し逸れましたが、 安定した賃金を求めず、安定した日々の生活を求めるように心掛けてみてください。その方が、健全な養鶏業を営むことに繋がります。
人間は生物には何の価値もないお金という存在に、自分の多くの時間を費やしています。
お金という存在は、人と人との争い事を丸く収めることができ、素晴らしい概念の一つではあると思います。しかし、あまりのめり込みすぎないことが、安定した日々の生活に繋がっていきます。
養鶏農家に必要なモノ
物理的に必要なモノは、以下に記載するものでほぼ全てです。
・にわとり(初生雛から飼うこと推奨)
┗━ 当養鶏場では生まれたその日のヒヨコを「後藤孵卵場」で購入
・鶏舎(土地込)
┗━ 現代は空き家や余った土地が、各地方自治体に問い合わせると存在する。
・にわとりのエサ
┗━ 自家配合飼料を作り、市販のエサは一切使用しない
・プラ舟(エサを混ぜるため)
・シャベル(同上)
・包丁(緑草切ったりなど色々)
┗━ 昔は裁断機というのが存在したが、現在は入手困難
・バケツ(エサを運んだり卵の回収に必要)
・薪ストーブ(ホームセンターで購入可)
・一斗缶(ちりとりや簡易かまどを自作できる)
・軍手
・長靴
・作業服(わたしの場合はツナギが楽でお気に入り)
・工具類一式(鶏舎の修繕で必要)
・手鎌と草刈り機(手鎌でカバー仕切れない時に草刈機が必要)
・卵トレイ(安定した保管ができる)
┗━ 日本モウルド工業 で卵パックと一緒に購入している
・卵パックor新聞紙(卵を販売する時に必要な場面がある)
・釣り銭(お客さんのお釣り用)
・自給用に必要な分の田畑
・野菜の固定種の種(自家採種で翌年は購入いらず)
今の所ざっと思いつくのはこんなところです。他にも必要なモノがあれば、その都度追記します。また、ここに記したことを全てと盲信せず、各自でどんどんアレンジを加えて必要なモノは順次揃えてください。その方が少しでも養鶏以外の時間を作ることができます。
毎日の流れ
サラリーマンとして、どこかの会社へ従事していれば、土日祝日、夏季休暇、年末年始は休みというパターンが多いと思います。しかし、養鶏農家にこのような休日や連休は皆無です。なぜなら、生き物を飼うということは、それだけ責任持って面倒を見なければならないためです。
ただし、休みらしい休みが無い代わりに、就労時間は自分で自由に決められます。好きなように1日の時間を決められます。言わば “フレックスタイム制” です。そのため、実質就労時間だけ見れば、とても少ない日もあれば、課題を先送りした分、多く働かなければならない日もあります。ちなみに、私はこの働き方がとても気に入っています。
以下は1日の大まかな流れです。
6時:起床と軽めの朝食
6時半~7時:朝の餌やり開始
9時頃:餌やり終了
9時頃~10時:遅めのしっかりと朝食
10時~12時:各鶏舎へ採卵や商品発送準備、エサ用の緑草採り
12時~13時:昼食
13時~15時:家での事務作業や自家配合飼料作り
15時:二度目の採卵と夕方の餌やり開始
16時頃:餌やり終了
16時頃~:足りない分の自家配合飼料作りや、鶏舎の見回りなど
18時頃:帰宅
鶏舎について
鶏舎の建て方などは、本にも記載されておりますが、別のページなどにして今後どこかに記載しておきます。
ただし、絶対に気をつけなければならない点だけ、ここでは記します。
絶対にしなければならないことは以下です。
・常に新鮮な空気が通るようにすること
・害獣対策を施すこと
まず、常に新鮮な空気が通るようにするには、壁を作らず、4面網のみの開放型にするのが手っ取り早いです。自作した鶏舎は、単管パイプで4面網のみの作りにしています。網を貼るのに、板を横にはわす程度の工夫はしますが、住宅のように4面壁で覆われているような状態にはしません。
にわとりが寒くないかと思うと思いますが、祖父はそれで問題なかったそうですし、何より羽毛布団を常に身につけている彼らにとったら、寒さよりも暑さの方が心配するべき点です。そのため、凍死するほどの気温地域でない限りは、壁を作らず網のみで鶏舎を囲うことをお勧めします。
次に、害獣対策です。これは絶対に必須です。わたしも養鶏を始めた当初、害獣対策を侮ったせいでたった一夜で120羽がたった2匹のキツネに殺されました。彼らは一度に殺した後、何羽か咥えて巣穴に持っていき、また後から戻って殺した死骸を捕りに戻ってくるのです。ちなみに、殺した死骸はそのままであったり、穴に埋めて隠したりします。
そのため、被害は甚大です。それも本当にたまごを産む直前のにわとりを襲います。これは本当に辛い出来事です。ちなみにこの時は、またヒヨコから育て直しでした。
こうしたことを避けるため、鶏舎の周りには瓦やトタン、コンクリなどで40cmは掘って外周を掘られても中に入れないようにしてください。キツネは余裕で鶏舎の周りを掘って中に入り込みます。わたしがキツネにやられた時も、鶏舎の縁を掘って中に入られやられました。そのため、必ずこの対策はしなければ痛い目を見ます。
あと害獣対策にもう一つ良い方法が番犬を飼うことです。当養鶏場では2匹犬を外で飼っています。そのお陰で、キツネのみならず、鹿や猿が来た時には物凄い勢いで吠えて威嚇してくれます。真夜中だろうと警戒してくれるので、本当に良きパートナーです。
ちなみに、キツネは夕方から朝方に掛けて鶏舎周りをうろつきます。彼らも生きるためににわとりを襲うため、仕方のないことです。しかし、人間側も生きるためににわとりを飼っていますし、目の前で無残ににわとりの命を奪われるのも辛いものです。なので、せめてキツネなどに大切なにわとりが襲われないよう十分に気を付けた鶏舎設計をしてください。
これから田舎生活を始めようとしています。
農の柱は日本蜜蜂の養蜂と平飼いで養鶏、
趣味の延長線での自然栽培での自給自足です。
自然栽培ですから養鶏から出る鶏糞は必要がないわけで、
平飼いでの養鶏だと下は当然土ですから土の循環能力というか再生能力で
産業廃棄物である鶏糞をを発生させないことが出来るのかどうか
そのあたりが少し心配でもあります。
コメントありがとうございます。
回答の前提条件として、当養鶏場で鶏糞は産業廃棄物ではなく、自然の循環物の一つと考えております。
むしろ、自然な餌を与えて生み出された良質な天然肥料です。
その上で、当養鶏場と同様な土の上で飼う平飼い(※1)の場合、わざわざ産業廃棄物として収集依頼するようなことは一切ございません。
これは仰るとおり、鶏糞が土に変化するためです。
ただし、土の循環能力よりも、にわとりの力が大きく働いています。
にわとりが地面を突き、足で掻き回し、砂浴びをするため掘る、そうした行動が鶏糞を細かくして乾燥させ、微生物の分解を手助けして土に変化させます。
そもそも、自然卵養鶏法で育てる羽数で、鶏糞に困るほどの量は出ません(※2)。
鶏糞はにわとりを飼う以上、絶対に生み出される副産物です。
しかし、この副産物は土へ良い影響を与えます。
当養鶏場の場合、緑草を豊富に与えるため、にわとりは酸性体質でなくアルカリ体質になります。
そのにわとりが出した鶏糞を育成中の野菜に与えても、全く痛めることなく、むしろ逞しく育っていきます。
また、にわとりは常に緑草を渇望します。
その緑草を確保するため、空いた土地があれば、鶏舎内にできた鶏糞(土)を撒くと、すぐに緑草畑ができあがります。
そのように、鶏糞を産業廃棄物と考えず、有機栽培にはなるものの、有効活用できる天然肥料と捉えてみてはいかがでしょうか。
※1:土に触れないエンリッチドケージの飼い方で平飼いと言う養鶏場もあります。
※2:発酵試料を食べさせた場合、にわとりの消化率はざっくり8割ほどです。一日の餌の量が1羽当り130g程と過程すれば、その内26gが鶏糞に変化します。100羽いれば、一日に2.6kgの鶏糞が発生する計算です。数字で見ると量がありそうですが、鶏舎内にこれがあってもすごく微々たるものです。
初めまして。
現在雄鶏2羽を含む20羽の鶏を自家用卵採卵の為に育てています。
少しずつ羽数を増やして安全な卵を消費者の皆さんに提供できたるようになれたらと思い、お祖父様の「自然卵養鶏法」を購入しました。
ど素人なので、こちらのサイトもとても有難かったです。
教えていただきたいのですが。平飼いの放牧というのでしょうか放し飼いをしているのですが、緑草は刈って与えたほうがいいのでしょうか?生えているそのままでも大丈夫なのでしょうか?
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
まずは、祖父の著書「自然卵養鶏法」をお手にとって下さり、誠にありがとうございます。
遺族ながら、とても誇らしい気持ちになります。
さて、頂戴しているご質問へ一つずつお答え致します。
■平飼いを放し飼い(放牧)と呼ぶのか
日本における平飼いや放し飼い(放牧)などの定義は非常に曖昧です。
そもそも平飼いは、鶏が鶏舎内を自由に歩け、自由に飛び回れる様な環境で飼うやり方です。
そして放し飼いは、鶏舎と運動場や広場が併設されており、自由に行き来できる状態で飼うやり方です。
ちなみに、平飼いに関しては、大地の上ではなく、単管パイプでできた床の上を歩き回れても平飼いと謳っている養鶏場もあるため、言葉の定義は曖昧です。
こうしたことから、言葉の定義に囚われず、消費者の方に全てをオープンにしてあげることで、消費者自身が何を選択するかが大切だと考えています。
■緑草は刈って与えるべきか、生えたままでもよいのか
答えは草が生えたままで問題ございません。
鶏は自分で草を取捨選択し、自由に草を食べて回ります。
そしてすぐに、それらの草を食べきり、その場所は根っこすら残らず、ツルツルの土が露出します。
それほど、緑草への渇望は強い生き物です。
そのため、生えている草が無くなり次第、自分で刈って投げ入れてあげなければなりません。
ただし、もし鶏のくちばしを切ってしまう「デビーク(断嘴:だんし)」をしていた場合、生えている草をついばむことが難しいため、細かく切って与えなければなりません。
ちなみに、当養鶏場ではデビークを行っていない初生雛を後藤孵卵場から購入しています。
以上、参考になれば幸いです。
丁寧に答えていただいて本当にありがとうございます。とても参考になりました。美味しくて安全な卵を
作れるよう精進します。
こんにちは。
近畿地方で会社に勤めている30代のものです!
最近は放し飼いの養鶏に大変興味があってこちらのブログを見まして、大変嬉しく拝見しています!
まだ、はじめてもない初心車中の初心者ですが、
色々な情報を感謝していただきます!
コメントありがとうございます。
また、放し飼いの養鶏から、当養鶏場のこのページへ辿り着いて頂き誠にありがとうございます。
当養鶏場では、自然卵養鶏法を基本とした自然な飼い方を常に考え、その情報発信もしております。
少しでも、当養鶏場の経験や知識がお役に立てれば幸いです。
なお、当養鶏場代表が YouTubeへ投稿している養鶏関連の動画もございます。
https://www.youtube.com/c/tachikomamesse?sub_confirmation=1
併せて参考にしてみて下さいませ。
自分は20年前に韓国のチョウ先生の自然農法の平飼いで鶏(イサブラウン2500羽)を飼育していました。
竹藪から土壌細菌を培養させて土に撒き臭くない、掃除しなくても臭くない、羽根も舞い散らない、鶏が鳴かない(鳴くのは赤ちゃんと同じストレスで鳴くからです。山の鳥はうるさくないですよね。)
抗生物質に一切使わない養鶏をしていました。
餌は雛から玄米を与えて胃腸を強くして、大人になれば米の剥き殻を餌に混ぜて食べる鶏が育ちます。
水を麦岩石に上から垂らしてミネラル豊富な水を与えると良い子が育ちます。
草は秋の彼岸花に気をつけて下さい。
有れは良くないです。
今は商社で働いてます。田舎育ちは飽きたらまたします。
コメントありがとうございます。
当養鶏場で実践する自然卵養鶏法と同じような養鶏法が韓国にもあるのですね。
同じ志を持たれた養鶏家が世界にいると思うと、とても心強いです。
サクラさんは商社で働かれているとのことですが、いずれはまた養鶏を再開し、その良き養鶏法を多くの方に伝えて頂けることを切に願います。
はじめまして、自給用の少羽数養鶏(15~20羽)を飼育しはじめて3年になります。
千葉県の都市部より少し離れた里山に暮らしておりますが、年々耕作者が減り田畑が荒廃していくのが悲しく、放棄農地の利活用を考える中で、自然養鶏に道があるのではないかと現在検討中です。
中島正さんの著書は、勿論拝読させて頂いておりますが、それとは無関係にこちらのサイトに辿り着き興味深く拝見させて頂き、とても参考になりました。どうもありがとうございます。
自然養鶏を検討する中で、1点悩んでおりますのは廃鶏についてです。
食肉に加工して販売するのが最もよい方法ではあるかとは思うのですが、食肉加工・販売の許可について調べると中々ハードルが高いことが分かりました。
のびのび養鶏場さんでは、廃鶏についてはどのようになされているのか、差支えなければご開示頂けると助かります。
勝手なお願いで大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
同じような生活をされている方がいて、とても嬉しい気持ちになります。
また、祖父の著書は勿論、当ホームページもご覧頂きありがとうございます。
さて、廃鶏に関するご質問ですが、当養鶏場では基本的に自家消費することを優先しております。
つまり、自分たち家族で捌き、日々の糧にするということです。
ただ一度だけ、廃鶏業者に買い取って頂いたこともあります。
この方法であれば、一度に多くの鶏を引き取ってもらえ、鶏の世代交代がスムーズに済みます。
ちなみに、ほぼ全ての養鶏家は、この方法で行われています。
しかし、当養鶏場ではこれまで自分で育てた鶏を、機械部品かのように入れ替えをすることに抵抗がありました。
そのため、鶏の入れ替えを行う少し前から自分で徐々に捌いていき、最終的には完了させるようにしています。
自然卵養鶏も自然養鶏も、どちらも小規模養鶏の様態であり、業者に頼まずとも可能なはずです。
また、小規模だからこそ可能なのが、鶏を捌くワークショップを開くことです。
日々スーパーに並べられるお肉、それは誰かが代わりに屠殺し、捌いてくれたモノ。
命を日々頂いて生きているということを再認識してもらう、そういった意義も生まれます。
こうしたことを地道に行っていけば、廃鶏の処理に困るようなことはないと思います。
以上、参考になれば幸いです。
初めまして。
自然卵というキーワードから、こちらのサイトに出会うことができました。
5年ほど前から、家族で「なるべく自然な食生活を」と、
添加物不使用や農薬不使用といった自然食品を取り入れるようになり、
それが高じて3年前から、知り合いの農家さんの元で自然栽培の米作りを学び、
今年くらいには田舎に移住して自家農業+副業(ネットビジネス)をしていきたいと考えております。
そんな中、別の知り合いのところで、鶏を捌いていただくワークショップに参加し、
得難い体験をしたことと、それよりも前から養鶏に興味が出てきていたことから、
自分でも「平飼いで餌にもこだわった養鶏をしてみたい」と強く思っていたところ、
こちらのサイトに出会うことができ、感動しながら数々の動画や記事を拝見しております。
直近では、新規就農に必要な手続きや支援がないか確認することと、
養鶏や農業ができる土地探しを始めております。
具体的な活動はこれからではありますが、ぜひ色々とご教示いただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
自然な暮らしを目指されているその思い、とても分かります。
当方もそうした思いから、今の生活を営んでおります。
近年、養鶏を始めたいという同様の方が全国から見学にいらっしゃいます。
また、ご質問も色々な方から頻繁に頂戴します。
しかし、それだけ自分達の食を大切にされたいという方が多くいるという証拠でもあり、とても嬉しい気持ちになります。
もし何か具体的なご質問等あれば、お問い合わせフォームからご連絡くださいませ。
畑やら鶏の世話やらで忙しい時期なので返信が遅くなりがちですが、必ず返信致します。
微力ながら、今後の糧にして頂ければ幸いです。
はじめまして。
地元を盛り上げていきたいと思い、これから養鶏(全くの未経験)を始めていきたいと思っている、現在千葉県在住の27歳の男です。
1.房総地鶏の養鶏を始めていきたいと思っているのですが、最初に20羽程から始めて、卵から孵化させて1000〜2000羽程の規模でやっていきたいのですが現実的でしょうか?
2.また、後々自分達で育てたあげた、鶏を使い飲食業界も始めたいと思っております。
最初の方は卵の販売がメインになると思います。房総地鶏は主に食肉として扱われている品種だと思うのですが、採卵販売には適していない、(味、見た目)のでしょうか?
無知で質問もかなり至らない部分もあると思いますが、色々とアドバイスを頂けたら幸いです。
ぷー 様
コメントありがとうございます。
地元を盛り上げていきたいというその心意気、とても素晴らしいと思います。
その気持ちを初志貫徹で頑張って頂きたいと願います。
さて、まずはぷー様はお1人で養鶏を行われるのでしょうか。
それとも複数人で営まれるのでしょうか。
それによって、規模の大きさは異なります。
ひとまずはお1人で養鶏をされるという前提でお話致します。
その上でお答えすると、自然卵養鶏を1人で2000羽は絶対に無理があります。
自然卵養鶏の創始者である祖父でさえ、ヒヨコを含めて1000羽程だったそうですが、1人で面倒を見る限界値とされています。
1人で鶏のエサ作りからエサやり、はたまたエサの材料集め、それらを勘案すると1000羽でもかなり難しさを感じます。
ちなみに、当養鶏場も600羽程ですが、毎日大変な労力を掛けて育てており、1000羽など到底手が回りません。
ですので、その数をいきなり目標に据えるには現実的ではありません。
ちなみに、20羽から初めて自家鶏種作出で1000羽まで到達させるには、相当な年数が必要になります。
ヒヨコから成鶏になるまで8か月程掛かりますし、オスメス両方産まれることも勘案すると、1000羽まで増やすには苦労が絶えないことは想像に難くありません。
鶏種作出に関しては「発酵利用の自然養鶏 笹村出 著」という本がとても詳しく記載されています。
参考にしてみてくださいませ。
次に、育てた鶏を使って飲食業界を始めたいとのことですが、上記の点から考えてお1人では物理的に手が足りなくなります。
人を雇い入れるなども考えて経営されれば可能かもしれません。
ただその場合、自然卵養鶏の本質的な趣旨と異なってきますので、別の方法を考えたり編み出す必要があるかと存じます。
自然卵養鶏の本質の部分は、本を読まれているはずですのでこの場では割愛致します。
また、房総地鶏について当方は詳しく存じ上げませんが、黄斑プリマスロックとロードアイランドレッドの交配種という認識でおります。
もしそうであれば、卵肉兼用種に近しいと思うので、採卵も可能ではないかと推察します。
詳しくは房総地鶏を扱っている種鶏業者へお問い合わせください。
なお、当養鶏場では採卵時期を終えた廃鶏は、自分達の手で絞めて食すことを基本としています。
ただ、業者に引き取ってもらい、お肉にして再度買い取ることも可能ですが、そのお肉を販売となると特別な許可が必要になります。
地域の保健所へ問い合わせると詳細に教えてくれます。
最初が絵に描いた餅では挫けてしまいますので、現実的に考えた厳しめの回答をさせて頂きました。
ただそもそも、まずは何に重きをおいているのかを考える必要があるのではないでしょうか。
文章を読む限りでは、養鶏をされたいというよりは、地元の地鶏を使った商売をしたいという印象を受けます。
なので、採卵養鶏業されたいのか、それとも飲食業をされたいのか、そこからじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
ぷー様にとっての良い判断材料となれれば幸いです。
脱サラを考え記事を拝見いたしました。質問なんですが、廃鶏をどうしていますか?私は販売したいと考えておりますが、資格等が必要なんでしょうか?ご教示お願いいたします。
コメントありがとうございます。
私自身も脱サラをして今がありますので、同志がいるようで嬉しいものです。
さて、廃鶏についてですが、当方では基本的には自分達で捌いて食しています。
個人で捌く分には問題ないためです。
また、鶏を捌くワークショップを定期的に開催しており、そこで廃鶏を利用しています。
https://nobinobi.online/7c8p
当方はお肉の販売はしていませんが、販売を検討した際に以下のような回答を地元の役場から頂きました。
廃鶏の販売については、色々と法令で決められており保健所の許可が必要です。
まず、捌いてお肉にする為に専用の空間(調理場のような場所)を作り、その場所の許可が必要です。
プラスして、そのお肉の販売スペースと冷蔵庫の設置が必要になります。
詳細な話は各地域の保健所へお問い合わせくださいませ。
より正確な情報が得られます。
ちなみに、廃鶏を一度専門の業者に買い取ってもらい、お肉にしてもらって再度買い取りをすることが可能です。
その場合、お肉の保存場所及び販売スペースが用意できれば問題ないそうです。
参考になれば幸いです。
貴重なご意見ありがとうございます。私の地域は寒冷地であり、鶏舎を含め色々と情報を集めて、鶏達が産まれてから生涯を終えるまで苦痛なく過ごせるような配慮をしてあげたいと思っており、奮闘しています。後は資金等ですね。
寒冷地であれば、冬場は北風を防ぐように合板等で抑えると良いと聞いたことがあります。
また、資金という意味では、採卵ができるようになるまで付加価値が付く有機野菜を育てて売るか、ある程度の軍資金を事前に貯めるのが吉です。
あと、祖父の中島正が設立に関わった「全国自然養鶏会(http://shizenran.jp/)」に問い合わせれば、ご自身の地域に自然卵を営まれている方がきっといらっしゃるはずです。
その方にコンタクトを取って、参考にされるのも手かです。
ちなみに当方の地域も、昔はマイナス13℃程になる地域だったそうです。
しかし、それでも開放型鶏舎で鶏達に何ら問題は無かったそうです。
鶏は羽毛布団をずっと背負っているようなものなので、寒さには強いです。
今20羽ほどいて千葉県周辺で養鶏場を売ってくださるかたや、場所を貸してくださるかたを至急探しています
当養鶏場では、そうした情報を持ち合わせておりません。
以下のリンクは当養鶏場とは全く関係ございませんが、鶏の交換会などの掲示板があるようです。
併せてご確認してみてくださいませ。
http://park2.wakwak.com/~toyonaka/tori/
はじめまして。現在大分の田舎町で自宅前の畑に鶏舎を建て40羽程の鶏を飼っております。昼間は鶏舎の周りをネットで囲い放し飼いです。
ご質問ですが現在地元の玄米のくず米を主に籾殻、菌床を砕いて発酵させたもの、椎茸のクズを乾燥させて砕いたもの、腐葉土、米糠、カキ殻、うどん屋さんのカツオだしの殻を配合して与えております。あと周りの雑草や野菜も毎日与えております。
後藤孵卵場よりもみじを購入して180日目辺りから卵を産み始めました。始めは順調に産んでくれておりましたが、だんだんと産む数が減って来ております。周りの知りあいからは玄米は卵は美味しいけれど産まなくなるよという声も聞きどうしたら良いのか今悩んでおります。
配合の分量やこれも加えたほうが良いなど有りましたら教えて頂けないでしょうか。
藤井 様
コメントありがとうございます。
とてもこだわった養鶏をされており、素晴らしい養鶏家とお見受け致します。
さて、実際に見たわけではないので、回答は推察になることをご容赦ください。
まず、お米が原因で産卵数が下がることはありません。
現に当養鶏場も、後藤孵卵場もエサの主体は米だからです。
穀類にお米を使ったところで、産卵数への影響は皆無です。
むしろ以下の点が気になります。
1、日照時間の対策有無
2、産み始めが6か月と若干早め
3、タンパク質不足
ひとつずつ解説致します。
1、日照時間の対策有無
産卵数を一年通して維持するためには、日照時間を意識する必要があります。
鶏は一日の日の長さを視床下部で感知し、春夏秋冬を感じ取っています。
そのため、日照時間が短くなる秋から冬の時期は、鶏もそれを察知し、産卵を止めて換羽します。
そしてまた春になると産み始めるサイクルになっています。
これは自然の摂理として当然の流れです。
しかし、人間の都合からすれば、冬の間もたまごを採りたい気持ちがあります。
そこで、鶏舎内に電球を点けて、一日の日の長さが15時間になるよう朝方と夕方にタイマーを設置する必要があります。
この点は「増補版 自然卵養鶏法」198ページに詳しく記載があります。
2、産み始めが6か月と若干早め
自然卵において、産卵は遅いほどよいとされています。
※詳しくは「増補版 自然卵養鶏法」187ページ参照
当養鶏場も、初産は8か月目以降から産むようエサの配合比を意識しています。
藤井様は6か月目から産み始めたということで、若干早いため、もしかしたら産み疲れをおこして産卵数が減っている可能性もあります。
ただ、今年から産み始めたのだとしたら、1年程は産んでくれるはずなので、他の要因を考える必要があります。
3、タンパク質不足
産卵を維持させるためには、ある一定程度はタンパク質を補ってやる必要があります。
たんぱく質不足では、自分の身体を維持するために使用してしまい、たまごの形成に栄養を回す余力がない可能性があります。
発酵飼料で得られる菌たんぱくのみでは、どうしても維持が難しいことがあります。
そこで、魚粉をエサに混ぜることも一つ視野にいれてみてください。
魚粉に抵抗がある場合には、魚のアラを煮て発酵させてから与えたり、ミミズを与えるなども可能です。
ただし、この場合には相当量を用意する必要があります。
この点は「増補版 自然卵養鶏法」103ページ第7表も併せて参考にされてください。
以上、参考になれば幸いです。
お忙しい中とても詳しくわかりやすい解説ありがとうございます。タンパク質不足、日照時間の対策早速試してみようと思います。
続けて申し訳ないてすがタンパク質について教えてください。魚粉の代わりにオカラでも大丈夫ですか?近くの豆腐店でオカラがいただけるならコスト的にも助かります。
最後に配合飼料の基本的な分量の割合など教えて頂けるならヨロシクお願いします☺
おからはタンパク質の代替品にはなりません。
生のおからは8割近くが水分で出来上がっており、タンパク質を期待するには難しいです。
ただし、食物繊維は豊富にありますので、発酵飼料と混ぜることで繊維不足には有効です。
詳しい配合比については、「増補版 自然卵養鶏法」を熟読くださいませ。
ちなみに、時期によって前後しますが、大雑把な比率で言えば以下となります。
4:4:2=穀類:ぬか類:その他諸々
こんにちは☺
先日コメントさせていただいた藤井です。
配合飼料の対策で魚粉を購入し混ぜてみました。すると1週間程でほぼ毎日卵を産んでくれるようになリました。この劇的な変化に嫁ともども毎日ビックリです(笑)
的確な対策本当にありがとうございました。
アドバイスがお役に立ち幸いです。
産卵の維持には意外とタンパク質が必要になるので、産卵ピークが過ぎるまでは今後も気を付けてみてください。
ちなみに、私が助言させて頂いた内容は全て著書に記載されております。
是非、著書も併せて参考にしてくださいませ。
はじめまして、養鶏の経験がない22歳です。
美味しい卵を生産したく地方で平飼いや放し飼いの経営を考えています。3つほどご意見を伺いたいことがあります。
1,経験がないなかいきなり始めるのは無謀だと思うので何から勉強していけば良いのかお考えを教えていただきたいです。
2,他の養鶏場様にこのようなお問合せをしたところ「鳥インフルに怯える業種だし、今後養鶏場は激減するだろうがお勧めしない」とのことでした。養鶏場への参入についてのびのび養鶏場様の意見をお聞きしたいです。
3,鳥インフルエンザのような感染症はどのように対策すれば良いのでしょうか。
お手数をおかけしますが何卒ご回答よろしくお願いいたします。
イブ様
コメントありがとうございます。
のびのび養鶏場中村です。
ご質問へ一つずつ回答致します。
1,経験がないなかいきなり始めるのは…
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全く無謀だとは思えません。
現に私は養鶏経験はもとより、鶏を飼ったことすら一切無い中で、たった一冊の本を頼りに開業しています。
それを考えたら、当時の私は29歳で無謀者になってしまいます。
けれど、次の質問にも被りますが、未来を考えたら養鶏業(自然卵養鶏に限る)というのは需要が高まる一方です。
それを考慮すれば「今すぐ参入せずして後悔しない?」とお伝えしておきます。
その上で、必要な勉強は何があるかと問われれば、このページにも記載されている「増補版 自然卵養鶏法」という本を読むことです。
この本を読まなければ話になりませんし、既に読んでいることが大前提です。
少し哲学的な内容も含まれてはいますが、この本には養鶏法の極意が全て詰め込まれています。
自然卵養鶏家の間では全員がバイブルと口を揃えて話す本であり、私もそう思います。
むしろ、この本が無ければ全国の自然卵養鶏家は四苦八苦していたことでしょう。
それ程にこの本は大切であり、全ての必要な知識が記載されています。
なので本気で養鶏業に取り組むのであれば、この本を読み込んでください。
その前提がクリアできた暁には、クチバシが切られていない初生雛(ヒヨコ)を数羽飼い始めてみてください。
動物相手なので、理論的なことよりも感覚的なことはとても大切であり、自分が今後養鶏を生業にできるかテストするのです。
そこで自分は羽数が増えても大丈夫!と思えたら、本格的に始動する流れです。
ただ現実的な話としては、養鶏を行う土地や鶏舎は必要ですから、色々と同時並行に動く必要はあります。
2, 他の養鶏場様にこのようなお問合せを…
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参入するべきです。
そもそも、どんな会社や仕事に就いたとしても、その会社が倒産するリスクやリストラになること、または職種が無くなる可能性を考慮する必要があります。
現に、ボットン便所だった時代、人糞は畑や田んぼの肥料として扱われ、それを商売にしていた職種がありました。
しかし、今そんな仕事などどこを探しても無いです。肥料が化成肥料主体となり、水洗トイレにもなりましたからね。
今の時代、AIの発達や生活様式の変化により、今ある職種も存在しなくなる仕事が必ずでてきます。(現在のツイッター社がイーロン・マスク氏に変わって似たような状況ですね)
そうしたことを考えれば、「美味しいたまごを作りたい!」という熱い想いを胸に、養鶏を始めて何のリスクがありますか?
そうは言っても鶏が鳥インフルエンザに罹ったら…と思うことでしょう。
なら明日、不謹慎ですが自分が不慮の事故にでもあったらどうします?というたられば話と何ら変わらないです。
現に、私は鳥インフルエンザにこそ罹ったことはなくとも、キツネにこれから産む!という最初の鶏120羽を一晩のうちに殺されました。
それまで育てた時間や労力はパーです。
けれど、私はどうしても自分で安全なたまごを作りたいという思いから、キツネ対策を鶏舎に講じ、もう一度ヒヨコから育て直しました。
鳥インフルエンザのリスクばかりに目を奪われると、他のリスクへの警戒心が薄れます。
どんな仕事にも言えることですが、リスクは何にでも存在しています。
予防や対策はしておいて、何かが起こったらその時に考えることが最善です。
それから、自然卵というたまごに関しては、需要が高まる一方です。
その証拠に当養鶏場のたまごはネット注文で言えば、現在10日待ちの状況です。
「あなたの所がたまたまうまくいったんでしょ?」と思うかもしれませんが、全国的なオーガニックに対する意識の高まりによる影響で、どこでも同じだと感じています。
日本の一般的なスーパーに売られているようなたまごは非常に綺麗ですが、その実よろしくないエサや環境であることがほぼ全てです。
そのことに気付いている方々は、安全なたまご、特に自然卵養鶏や自然養鶏のたまごに非常に興味が強い傾向にあります。
世界的にもヨーロッパではケージ飼いが禁止され、平飼いのみが許されている現状があります。
その流れに逆らうように日本ではケージ飼いの大規模養鶏ばかりという状態、その中でオーガニック意識の高まりで平飼いたまご、特に自然卵というたまごの需要は目に見えて高まるとしか思えません。
既に当養鶏場では、たまごの需要の高まりを肌身で感じています。
こうしたことから、私は養鶏業、特に自然卵養鶏に参入することは自分にも消費者にも凄く利になることだと、強くお勧めしておきます。
3,鳥インフルエンザのような感染症は…
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ウインドレス鶏舎(窓のない大きな換気扇が付いた密閉型鶏舎)で鳥インフルエンザが全国で流行するので、絶対に防ぐというのは不可能です。
なので、最低限は家畜保健衛生所が指導する手順は守っておくことが対策になると考えます。
確かに昨今の鳥インフルエンザの大流行は、養鶏家にとっては戦々恐々ではあります。
しかしそもそも何が怖いかというと、たった1羽でも感染していることが年に1度の血液検査で発覚すれば、例え抗体を持っていたというだけでも、養鶏場内のヒヨコから成鶏まで全てを強制的に殺処分されてしまうことです。
それまでの苦労が水の泡となり、またゼロからのスタートとなる点が養鶏家にとって一番の恐ろしさです。
つまる所、経済的損失が物凄いことになるのです。
だからこそ、どの養鶏家も鳥インフルエンザには罹りたくないのです。
ちなみに、法定伝染病には鳥インフルエンザとは別にニューカッスルというものもあり、これも感染が発覚すると殺処分の対象になります。
ただし、ニューカッスルに関しては、予防接種が可能なので殺処分を逃れる手段があります。
以上、参考になれば幸いです。
ここまで丁寧な解説をいただけるとは思っていませんでした。ありがとうございます!!
うまくいったらまた報告させてください!
YouTube見させていただきました。
鶏舎についての質問をさせてください。
単管パイプの大きめの鶏舎を自作で作られたということでとてもすごいと思いました。
あちらの鶏舎を作るにあたって材料や整地などの費用はいくらほどになるのでしょうか。
ご回答いただけると幸いです。
コメントありがとうございます。
単管パイプの鶏舎をお褒め頂き光栄でございます。
整地費や材料費の具体的な金額について、この場で明言は避けますが、それなりに必要なことだけはお伝えしておきます。
参考になれば幸いです。
はじめまして。
現在の仕事を辞め、平飼い養鶏を始めたいと考えている者です。
私は実家が農業関係者でもなく、自身も農業に触れた事もない完全な素人ですが、始めるにあたって他の養鶏場などで、修行をしたほうがいいのでしょうか?
急に飛び込んでやっていける世界では無いと承知しておりますが…
アドバイスをお願いします。
コメントありがとうございます。
個人的には修行など必要ないと考えます。
現に、私自身がゼロからのスタートでしたが、ここまで養鶏業を生業とすることができているためです。
私もゴメスさんと同じ境遇で養鶏は勿論、農業もやったことがないど素人でした。
けれど、自分で自然卵養鶏法の本を熟読し、自然農(川口由一さんの自然農)の本を参考に畑を実践し、たまごも作物も自給できています。
やったことがないことへ挑戦することは、何事も不安が付きまとうことは間違いないです。
しかし、それ以上の楽しみやワクワクがあることは保証します。
なにせ、やる事が人間相手ではなく、自然相手ですから毎日が新鮮で気持ちの良いことばかりだからです。
ゴメスさんも当初の私と同じように不安なことが多いかもしれませんが、いきなり始めてみてください。
その方が理解も慣れも、何百倍も成長が早いです。
どうしても不安が払拭できなければ、当養鶏場や近くの自然卵養鶏家の所へ赴いてみてください。
きっと力になってくれるはずです。
丁寧で心強いアドバイス、本当にありがとうございます。
一歩踏み出せそうです!
チャレンジしてみます!